Category Archives: book

Der Gast im Garten

Verlag: Insel Verlag
Sprache: Deutsch
Übersetzungen: Ursula Gräfe
Illustrationen: Quint Buchholz
ISBN: 978-3-45-817626-8
Gebundene Ausgabe, 136 Seiten
€ 14,00

»Ein zartes Buch, das nicht nur Katzenfreunde beglücken wird.« —Leopold Federmair, Neue Zürcher Zeitung

»Sprache und Beschreibungen sind bedacht, elegant und wunderschön; vordergründig handelt Hiraides Roman von einer Katze, doch im Grunde geht es um Raum und Besitz.« —The New York Times

»Ein verstörendes, wehmütiges Büchlein über das flüchtige Glück des Daseins.« —SV, Frankfurter Rundschau

»…die zarten Illustrationen des Künstlers Quint Buchholz machen aus dem Buch erst recht ein Kleinod. Man sollte Der Gast im Garten unbedingt unter oder neben einer blühenden Pflanze genießen.« —Sabine Zaplin, Bayerischer Rundfunk

»Die Stille, die sich in dem kleinen, von Quint Buchholz zauberhaft bebilderten Roman ausdrückt, begleitet einen noch lange nach der Lektüre.« —Maria Inoue-Krätzler, Nürnberger Zeitung

»Der japanische Dichter Takashi Hiraide hat einen zarten Roman geschrieben, in dem oberflächlich fast nichts passiert, unterschwellig aber die grossen Themen des Menschseins angesprochen werden.« —Radio SRF 2 Kultur

»Ein wunderschönes Buch. Ein Text, der fließt und alles still durchdringt, als wäre er selbst Wasser.« —Kyoto Shimbun

»Vielleicht liegt es daran, dass sein Buch so ganz aus dem Rahmen fällt, dass es sich auf 130 Seiten viel Zeit für unscheinbare Dinge nimmt. Und dass der Autor in kleinen Geschichten eine große vom Leben erzählt.« —Sabrina Dämon, Gießener Allgemeine

»Der japanische Lyriker und Lektor Takashi Hiraide hat mit Der Gast im Garten eine autobiographisch grundierte, zart schwebende Erzählung vorgelegt, für die die Gattungsbezeichnung ›Roman‹ entschieden zu bombastisch ist. Der episodisch gestaltete Text strahlt eine große poetische Ruhe aus und besticht durch raffinierte, oft kaum merkliche atmosphärische und perspektivische Verschiebungen.« —Isa Schikorsky, Lesart 1/2015

De Kat

Uitgeverij: Meulenhoff
Taal: Nederlands
Vertaling: Luk Van Haute
Omslagbeeld: Léonard Tsugouharu Foujita “Chat Couturier”
Omslagontwerp: Pinta Grafische Producties
Auteursphoto: Takashi Mochizuki
ISBN: 978-90-290-9039-1
Gebonden met stofomslag, 160 pagina’s
€ 17,95

[オランダ語版『猫の客』]

“Een prachtig geschreven, poëtische roman.” -Margriet
“Je hebt voortdurend het idee dat er onder deze vederlichte vertelling een grote en diepe waarheid schuilt.” -**** de Volkskrant
“Een Japans koppel ontdekt diepere waarden in het leven via de hartveroverende charmes van een kat. Een verfijnde, elegante novelle.” -Nu.nl
“Een literair juweel dat je treft zoals poëzie dat kan.” -Trouw
“Een teder en precies boek dat de glans en de tijdelijkheid van het alledaags ontsluiert.” -NRC Handelsblad
“Een boek dat je langzaam, in korte hoofdstukjes, tot je laat doordringen, om zo zelf je gedachten te laten dwalen over de grotere en kleinere thema’s des levens.” -De Morgen

The Guest Cat

Publisher: New Directions
Language: English
Translator: Eric Selland
Cover art: Léonard Tsugouharu Foujita “Chat Couturier”
Design: Erik Rieselbach
ISBN: 978-0-81-122150-4
Paperback, 144 pages
$14.95 USA $16.00 CANADA

“An unusually intimate, detailed and vivid picture of a place that is simultaneously private and open.” —The New York Times Book Review

“It’s clear there is a tradition of literary works centering on or featuring cats in modern Japanese, and we now have from New Directions a translation of a splendid addition to that list. … a work of subtleties revealed only with repeated readings. I recommend it unreservedly to the general reader.” —Paul McCarthy, The Japan Times

“The little feline sets off a chain of disquisitions on nature, destiny, joy, pleasure, and sorrow.” —Huffington Post

“This is a beautiful, ornate read, brimming with philosophical observation, humor and intelligence, leaving the reader anticipating more translated works of Hiraide.” —Publishers Weekly (starred review)

“A wonderful tale about the desire to possess and the pain of absence. And such writing! Precise, delicate, enchanting.” —Atmospheres

“A seemingly endless string of shape-shifting objects and experiences, whose splintering effect is enacted via a unique combination of speed and minutiae: what initially reads like free association turns out to be a near-microscopic record of emotions and phenomena.” —Alan Gilbert, The Believer

“Hiraide’s work really shines” —Kenzaburo Oe

“The Guest Cat is a rare treasure.” —NPR

Interview: BOMB MAGAZINE

葉書でドナルド・エヴァンズに I[絵葉書版]

版元: crystal cage 叢書東京パブリッシングハウス
造本/写真: 平出隆
本文装画: ドナルド・エヴァンズ
函装画: ジョゼフ・コーネル《パノラマ》
定価: 3600円(税込)
ISBN: 978-4-90-266307-5
変型判上製本(120 x 188) 函入 9ポ1段組 112頁

帯文(背):
架空の世界を夥しい切手に描きつつ夭折した数奇な画家へ贈られる痛切な旅ーー絵葉書版
帯文(表):
Witty, Fabulous, I love the world of Donald Evans! Doesn’t everybody love stamps? ー Andy Warhol
帯文(裏):
平出隆、ドナルド・エヴァンズ略歴

アクテルデイク探訪 «via wwalnuts 11»

造本・写真・文:平出隆
図像:加納光於
定価:777円(税込、送料無料)
判型:A5判変形
組体裁:1段組
ページ数:8
初版第1刷=40部 2012年4月

1972年、アメリカからオランダへ渡ったドナルド・エヴァンズは、アムステルダムで本格的な活動を始める前に、その郊外のさらにはずれの牧草地アクテルデイクに小さな小屋を見つけ、そこをアトリエにしようとした。そして、同じ名前の「アクテルデイク」という「公国」があることを想像しはじめた。1988年10月、アムステルダム市立美術館学芸員としてドナルドと交流のあったアド・ペーターセンは、探索にやって来た平出隆の質問を受け、調査を助けようとして、自身も好きだったドナルドを思い出しながらのアクテルデイクへのドライヴを提案した。二人の奇妙にも微笑ましい探索の記録。
[FOOTNOTE PHOTOS]は叢書内シリーズ。著者自身による写真が数葉、既刊の自著の一節への「脚注」として収録されるもの。今回の底本は『葉書でドナルド・エヴァンズに』(2001年、作品社)。

9784905219118

カフカの泣いたホテル «via wwalnuts 10»

造本・写真・訳:平出隆
図像:加納光於
定価:777円(税込、送料無料)
判型:A5判変形
組体裁:3段組
ページ数:8
初版第1刷=40部  2012年1月刊

「芸術新潮」に発表されて話題を呼んだ三点の写真を組みなおした、著者初の写真集。1913年9月、北イタリア旅行途次のヴェネツィアのホテルで、カフカはベルリンの恋人フェリーツェ・バウアーへ手紙を書いた。著者は1999年の足跡調査時の資料でもある写真とともに、このたび、カフカの手紙をあらたに訳出。表紙写真は保存されている当時の帳場カウンターで、カフカはここで宿泊者名簿に署名したといわれている。
[FOOTNOTE PHOTOS]と名づけられる叢書内シリーズの第1冊。このシリーズは、著者自身による写真が数葉、既刊自著の一節への「脚注」として、葉書大で収録される。今回の底本は『ベルリンの瞬間』(集英社 2002年4月)。撮影は1999年2月のヴェネツィア。

9784905219101

胡桃だより 1 左岸へ «via wwalnuts 09»

造本:平出隆
図像:加納光於
定価:777円(税込、送料無料)
判型:A5判
組体裁:1段組
ページ数:8
初版第1刷=40部 2012年11月刊

批評的エッセイのシリーズ第1回目。
ここでは、歌人玉城徹との批評的交流において見出されつつあった、
或る「詩的真理」の所在について語られる。

0712134

詩集 雷滴 版画=加納光於

版元: via wwalnuts
装幀/本文組版: 平出隆
装画: 加納光於
定価: 3500円(税込)
ISBN: 978-4-90-521903-3
B5横変型版 v.ww.綴じ くるみ紙エンボス入り クロス貼り帙(非差込み式の一体蓋) 著者イニシャル署名入り(直接購読・特約常備店の場合のみ) 本文総64頁
初版部数: オンデマンドにつき未定(40部以上)

詩集『雷滴』普及版

詩集『雷滴』特装版 加納光於・オリジナル版画

版元: via wwalnuts
造本: 平出隆
装画: 加納光於
版画圧刷: 高松聰
定価: 108000円(税込)
ISBN: 978-4-90-521903-3
限定30部 各冊番号入り B5横変型版 v.ww.綴じ くるみ紙エンボス入り クロス貼り帙(非差込み式の一体蓋、紐、書名・著者名・版元名と加納光於による画像の箔押し付き) 著者イニシャル署名入り(直接購読・特約常備店の場合のみ) 本文総64頁 加納光於のオリジナル版画1点(署名・番号入り)付き
初版部数: オンデマンドにつき未定(40部以上)
2011年7月29日発行/8月12日発売

詩集『雷滴』特装版

言語としての河原温 «via wwalnuts 07»

造本:平出隆
マーク:加納光於
定価:777円(税込、送料無料)
判型:A5判
組体裁:横1段組
ページ数:8+音声ファイル

初版第1刷=40部 2011年5月刊現代日本の美術家の中でもっとも世界性をもつ河原温。
1995年9月、ケルンで開かれた《河原温 出現 – 消滅》展に際して行なわれた平出隆による講演原稿。
例によって会場にあらわれることのない河原温は、のちにその内容を知って、
これまでだれも論じえなかったものとして絶讃した。
本書は、ケルンの出版社から刊行された決定稿(日本語)と、
個展会場であったケルン芸術協会での録音とから成る。
音声は日本語の男声(平出隆)とドイツ語の女声(翻訳者)とが交互に流れる。
本書籍に記載のパスワードから、音声を聴くことができる。

9784905219071

鳥を探しに

版元: 双葉社 
装幀: 平出隆
装画: 平出種作
定価: 3800円(税別)
ISBN: 978-4-575-23685-9
四六判 上製 カバー装 664頁

カバー裏から背、表にかけて《孤独な自然観察者にして翻訳者でもあった男の遺画稿と遺品の中から大いなる誘いの声を聞き取りながら育った私は、いつからか、多くの《祖父たち》と出会う探索の旅程にあることに気づく。絶滅したとされる幻の鳥を求めるように、朝鮮海峡からベルリンへ、南北極地圏の自然へ、そして未知なる故郷へ。はるかな地平とささやかな呼吸とを組み合せ、死者たちの語りと連携しながら、数々の時空の断層を踏破する類ない手法ーーコラージュによる長篇 Ich-Roman》の文言。

《鳥や植物、エスペラント、異文化の人たちとの交流、その日その日のできごとの報告、思い出、祖父の手になる(そうとうにうまい)絵、とんでもないエピソード、左手という(たぶん平出のもじりの)姓と、森市とか林市とか種作とかいう名の人々……。/自分が軽い病気の快復期にあるとしたら、これを読むほど柔らかな療法はないだろうと思った》 池澤夏樹「私の読書日記」(週刊文春2010.2.18)

《3つの層は微妙に響き合って書物を作り上げる。キタタキという鳥を中心に話は縫い合わされる。見事な手腕というべきだろう。小説のようにも読める。長い長い散文詩のようにも読める。(中略)いずれにしても、平出にしかできない精緻な世界。素晴らしい。》 陣野俊史「詩の味わい 層を織り成す物語」(日経新聞2010.2.10夕刊)

《寡作で知られる詩人が驚くべきことに650ページ余、2段組みの小説を上梓した。全編、異端の祖父への痛切な思慕に溢れている。(中略)一族の姓「左手」は、著者の名作『左手日記例言』を想起させる。喪失感から生まれる新たなイメージ喚起が、本書でも重要なモチーフとなっている。知的な輝きに満ちた、著者2冊目の小説。》(週刊新潮「TEMPO BOOKS」2010.3.11)

《父と息子との間でやりとりされる記憶や祖父の遺稿、周囲の人々の伝聞から浮かび上がってくる種作は、地の底から顔を出す千金の鉱脈のようだ。/鉱脈といえば、本書に差し挟まれている種作の翻訳原稿(シベリア紀行や北極海近辺における探金者たちの冒険記録)がすばらしい。短章を重層的に積み上げた文の隙間から、極北の光と影が砂金のように流れ出す。そこに幻の鳥の羽ばたきや緻密な博物誌的考察が重なり、私は読後、数万キロの大地を旅した人のように茫然自失状態だった。二段組、六五〇ページを超える大著だが、一週間余、ただこの本の中だけを歩きたくて、どこにも出かけなかったことを告白しておこう。》 稲葉真弓「知られざる祖父の足跡 遺稿に不思議な世界観」(北海道新聞2010.3.21)

《この分厚い書物を構成している断片は、対馬の奥深い自然と、ベルリンの街と、一族の数奇な運命と、そして種作の残した翻訳と絵である。それらが交互に語られ、侵犯し合い、渾然一体となった物語を構成している。この構成力は見事の一語に尽きる。(中略)日記でもあり、一族の物語でもあり、自然観察記でもある書物は、いままで読んだこともない独特の姿をして目の前にある。そのことを強く肯定したい気持ちになる。》 陣野俊史「奇蹟的な本に響くキタタキの鳴き声」(週刊朝日2010.3.26)

《これまで正岡子規や伊良子清白らを「わが祖父たち」とし、その声に耳をすませ、丁寧にその姿をとらえようとしてきた詩人、平出隆が、最新作では血のつながった自身の祖父を書いた。祖父種作(作中では左手姓)は小学校を出ていないはずだが、エスペラント語、ロシア語、ドイツ語などを使いこなし、植物と鳥を愛す、市井の博物学者であり、絵をたしなむ趣味人でもあった。しかし、親族ですら知らない空白の時期もあり、孫には祖父との想い出がほとんどない。(中略)読み進めていくうちに、無関係と思われていた事象や感覚がつながり、茫洋とした景色から、しばし祖父の姿が浮かび上がる。その姿は未だ淡いが、これら予兆の数々が、深く静かな余韻を残す。見るからに力作の装幀は著者自ら手がけ、装画は祖父によるもの。》 「「わが祖父たち」を追う作家の本当の祖父を探す旅」(芸術新潮2010.3)

《二分した内容のようだが、次第に統一場というべき世界観が浮かんでくる。祖父とベンヤミンはじつは同年生まれである。今日では二十世紀の重要な哲学者として知られるベンヤミンも、翻訳を始め膨大な草稿を残し、道半ばで没した放浪者だった。「私」が慕う対象は、祖父個人のみならず、「祖父たち」と呼ぶべき二十世紀の冒険者たちなのだ。彼らはいずれも特定のジャンルや専門性に縛られずに、未知の何ものかを探求した者たちなのである。(中略)断章という形式の可能性にとり憑かれたベンヤミンに倣うように、この分厚い本書そのものが、さまざまな可能性と夢を孕んだ、完結しない、膨大な断章の標本箱なのである。》 清水良典「「今トキ本」の標本箱」(星星峡2010.5)

《ときに応じてさまざまに呼び起こされる記憶や事実の検証過程のありさまが、あるときは時代や場所を大きく越えて飛躍しつつ、またあるときはそれらをゆるやかにつなぐかたちで、淡々として語られる。》 日和聡子「祖父の遺稿がもたらしたもの」(新潮2004.4)

『鳥を探しに』カバーと表紙

鳥を探しに monpaysnatal
鳥を探しに sakaponta
鳥を探しに el-sur
鳥を探しに el-sur

鳥を探しに el-sur
鳥を探しに el-sur
鳥を探しに el-sur
鳥を探しに boy_smith
鳥を探しに kotohakobi
鳥を探しに leeswijzer
鳥を探しに leeswijzer
鳥を探しに spiral
鳥を探しに
鳥を探しに ramunos
鳥を探しに hmidori0623
鳥を探しに kuratama
鳥を探しに ume75
鳥を探しに
鳥を探しに general777
鳥を探しに jeu
鳥を探しに LANDINGGROUND
鳥を探しに gekisaku.oct-pass
鳥を探しに abraxasm
鳥を探しに kumanekoy
鳥を探しに natsuyono
鳥を探しに ichidokusha
鳥を探しに kokokashik
鳥を探しに leeswijzer
鳥を探しに morinori
鳥を探しに morinori
鳥を探しに morinori
鳥を探しに nishikosato
鳥を探しに philosophysells
鳥を探しに mignonbis
鳥を探しに sakanatic
鳥を探しに sakanatic
鳥を探しに kkkbest
鳥を探しに tao1007
鳥を探しに mitt
鳥を探しに tao1007
鳥を探しに ship_ahoy

鳥を探しに nikkei
鳥を探しに mainichi
鳥を探しに red_herring
鳥を探しに yubi
鳥を探しに thelaststraw
鳥を探しに el-sur

鳥を探しに yubi
鳥を探しに cmt
鳥を探しに elmikamino

FOR THE FIGHTING SPIRIT OF THE WALNUT

Publisher: New Directions
Language: English and Japanese [Bilingual]
Translator: Sawako Nakayasu
ISBN: 978-0-8112-1748-4
Price: $17.95
Paperback, 144 pages

Winner of Best Translated Book Award
Winner of a PEN Translation Fund Award

“Even in translation, [Hiraide’s] fine poetry really shines. At times I am reminded of T.S. Eliot.” —Kenzaburo Oe

For the Fighting Spirit of the Walnut believermag
For the Fighting Spirit of the Walnut japantimes
For the Fighting Spirit of the Walnut quarterlyconversation
For the Fighting Spirit of the Walnut wordswithoutborders
For the Fighting Spirit of the Walnut newdirectionspoetry
For the Fighting Spirit of the Walnut poetryfoundation
For the Fighting Spirit of the Walnut nydailynews
For the Fighting Spirit of the Walnut latimesblogs.latimes
For the Fighting Spirit of the Walnut penamerica.blogspot
For the Fighting Spirit of the Walnut coldfront

遊歩のグラフィスム

版元: 岩波書店 
装幀: 菊地信義
本文組版: 平出隆
定価: 3400円(税別)
ISBN: 978-4-00-025402-1
A5変形判 上製本カヴァー装 9ポ1段組 320頁

目次 I = 名刺の箱の中で II = 一方通行路から III = 一冊きり 一通きり IV = 《THE ONE & ONLY MAIL ON》V = 国境と締切 VI = 《I GOT UP》 VII = 子規にとっての哲学と流転 VIII = 地図の上の朱線 IX = 飛び移る筆先 X = ガラス・蚊帳・格子 XI = 小園の図など XII = ガラスの小さな板 XIII = 少年デザイナー子規 XIV = カリキュラムの渾沌 XV = 過渡期にあらわれる古代 XVI = 海辺の小屋 XVII = トポフィリ XVIII = 抹香町にて XIX = 先生の歩行 XX = 荷風ヴァーサス長太郎 XXI = 天使の関節 XXII = わが旦過――偽のパサージュ XXIII = プシュケーの羽 XXIV = 日は階段なり――《遊歩の階段》の設計公式つき XXV = 日記的瞬間 XXVI = 古代・種子・散文 XXVII = 手のひらの迷宮 XXVIII = 清らかな予言の織物 引用参考文献 あとがき

帯文(背):
言語・形象・時間
帯文(表):
随想による詩的メタフィジックス
詩学以前の渾沌状態に、危うくも明晰な形象的思考を与えた、東西の詩人・作家・思想家たち。知られざる道を彼らのあいだに見出しながら、「領域」の神話を破り進む《遊歩》のストローク、めざましい言語芸術論。――《遊歩の階段》の設計公式つき
帯文(裏):
ベンヤミンを杖に、プリニウス、リヒテンベルク、正岡子規、河原温、川崎長太郎、吉行淳之介、永井荷風、澁澤龍彦、ポー、ボードレール、ヘッセル、ストーン、カフカ、カミュ、ゲーテ、森鷗外、高浜虚子、上島鬼貫、石川淳、玉城徹、ノヴァーリス、ヨッホマン、カラヴァン、シャールをめぐって、詩的身辺哲学は生成される。

《断章から断章へと追っていくうちに、足元には、いつしか透明な星座が浮き上がっている。俳句、日記、絵、覚書など、彼らに共通の記録へのかたむきは、表現形式としては様々だが、その混沌こそ、極小の点のなかに沸騰する「表現の古代」の様相だという著者の見方にも、深く頷かされる。読後、いずれ何度も読み返すことになる本だと、確信した。》林道郎「明滅する生の破線」(読売新聞2007.10.28)

《遊歩の自在さを、グラフィスムという「一定の書法」、あるいは一定の規矩を示す外来語と結ぶことによって、著者はむしろ、重くのしかかる「私」を自在に遊ばせつつ消していき、ついには「個人を半ば超えた感受性のフィールド」のなかで生起するなにかに目を凝らそうとしているらしい。》堀江敏幸「自在な歩みとともに生起することども」(毎日新聞2007)

《いくつもの断章や断片が繰り出す力強いストロークから成る本書は、一冊の本であることを忘れるような地平をひろげる。ある章のある記述が、別の章の思い掛けない箇所に、躓くほどの段差もなく直結していく。それは「行」という存在を疑い、lineについて思いを巡らせる著者だからこその一冊の書物のあり方なのだ。文字と形象のパサージュはいつも次のパサージュに向けて開かれている。》蜂飼耳「言葉と形象の重なりを歩く」(文學界2007.12)

《ライブラリで平出隆の「遊歩のグラフィスム)」(岩波書店)を発見して読み出したらとまらなくなった。目下、4冊の本を同時に進行させているので、時間はいくらあっても足りない。それで拾い読みに変更したが、ベンヤミンやら、子規やら、河原温やら、荷風やら、渋澤やら碧梧桐やら、面白いことが沢山書いてある。》 chotoku.cocolog

《要約することが難しいエッセイだ。地図の話でもあり、都市空間の話でもあり、「詩的」なものを問い直す美学的なお話でもあり、身体を伴った歩行や交通の話でもあり、もちろん登場する表現者たちの作家の相貌を鮮やかに切り取る作家論、でもあり、詩人でもある初老の筆者が、自分自身の生きたこと、生きていることを問い直す、そんな哲学エッセイでもある。むしろ要約するなんて勿体ない。じっくりと一つ一つの話を味わいたい、そんな種類の本である。》 blog.foxydog

《ベンヤミンをきちんと読み始めたのは去年のことからだ。平出隆の『遊歩のグラフィスム』という絶品エッセイの冒頭近くに触れられていたベンヤミンについての箇所を読んで、比喩でなくベンヤミンを読む、というスタンスが気になった(気に入った)からだ。『遊歩の〜』についてはすでに一度ここで触れているので繰り返さないが、読書はそんな風にして広がっていくのだとつくづく思う。読めば読むほど広がっていくダンジョンのようなものだ。》 blog.foxydog

《この本に多く引用された正岡子規の『墨汁一滴』を読み直すと、平出さんが感じる「機械的な、またはグラフィックな快感」、それを、『遊歩のグラフィスム』で追体験して得るこちらの快感と同じような快感が改めて残る。》 四釜裕子

《平出さんはいまの日本で最も端正なコトバを操る詩人の一人ですが、この本は俳人・歌人の正岡子規、美術家の河原温、小説家の川崎長太郎、ドイツの文芸批評家・思想家のベンヤミンといった東西のジャンルの異なる文章や視覚的な表現を、「遊歩」していく本です。》 fiatmodes

遊歩のグラフィスム 近代ナリコ
遊歩のグラフィスム daiouika
遊歩のグラフィスム sanstete

詩画集《雷滴 その研究》加納光於+平出隆

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限定13部 《雷滴 その研究》 書紀書林
430,000円 在庫なし
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平出隆 † 詩篇 13
加納光於 † インタリオ 13   33.0×25.2cm

高松聰 † 版画圧刷
函 † 布クロス貼函
用紙 † ベランアルシュ250g   50.2×67.2cm
2007年9月10日
書紀書林 † 発行
精興社 † 印刷
大久保製函 † 製函
hiraideworks_sigashu27
Limited Edition 13
《Thunderdrops, and the Study Thereof》
¥430,000

13 Poems † HIRAIDE takashi
13 Intaglio prints † KANO mitsuo

Press printing † TAKAMATSU satoshi
Case † Cloth-covered case
Paper † 250g Verin Arches
September 10, 2007
Publisher † Shoki-Shorin Press
Printer † Seikosha Printing Co.
Case † Okubo Seikan Co.

加納光於展《止まれ、フィボナッチの兎》(2007年9月10日ー29日 京橋・ギャルリー東京ユマニテ=中央区京橋2-8-18 昭和ビルB1F tel=03-3562-1305)にて展示

ウィリアム・ブレイクのバット

版元: 幻戯書房
装幀: 緒方修一
本文組版・図版構成: 平出隆
カヴァー装画: ウィリアム・ブレイク「こだまする緑の原」第二葉
定価: 2800円(税別)
ISBN: 978-4-00-025402-1
上製 カヴァー装 9ポ1段組 216頁

目次 glad day =[世界の果て書店 北米のもりそば 民宿のシンメトリー・キャット 留守番動物への便り わが庭のリトル・リーガー わがチームの大リーガー 海を背に キタタキの山 シカゴの空 アムステルダムー奈良 海峡のドミノ 緑の光] ball, bat & art =[ウィリアム・ブレイクのバット 文字と化したバット ラウル・デュフィの野球場 「世界輪」をめぐる打者と走者 オルデンバーグのバット 庭園の永遠 白鯨礼讃] kafka’s drive =[絶対初心者 初心の喪失 はじめての失敗 世田谷のボロ市 自動車神社 私鉄沿線風景 アイオワの教習 へんな合格 無能のライセンス ある年頃 私の草相撲 極り手 いつのまにか 危険について ランダバ・パーティー 言語正確 インケン先生 説教より過褒 門のあたりで 絶対初心者マーク 鞍数とキロ数 愛さずにいられない 自転車日記 自転車乗り朔太郎 美しいラインを曳いて 蘆花と迷路 クリズルクルー まがね神のこと 空飛ぶ詩人と屋根職人 助手席の神 間違いだらけの自動車旅行 出発まで アーヘンまで 道のつもりか 鞍を背のアウトバーン 静かな旅人] 初出一覧

帯文(背):
詩的世界への旅
帯文(表):
それは打撃音とともに旅をもたらす魔法の杖
平出隆が無限のフィールドに残す言葉のシュプール
帯文(裏):
ボールが一撃されたなら/飛び出していくよ 少年は/さだめられた 次の杭へ/そして 歓びいっぱいにホームへ

ウィリアム・ブレイクのバット Uu-rakuen
ウィリアム・ブレイクのバット boklog
ウィリアム・ブレイクのバット 紅子
ウィリアム・ブレイクのバット
ウィリアム・ブレイクのバット uraraka-umeko

伊良子清白

版元: 新潮社
装幀: 新潮社装幀室+平出隆(新潮社装幀室・望月玲子との共同装幀 本文組・函意匠ほか=平出隆)
装画: 伊良子清白
ISBN: 978-4-10-463201-5
定価: 6000円(税別)
A5判 上製 貼函入 「月光抄」「日光抄」の2巻セット 9ポ1段組 各巻191頁

表紙及び奥付に「月光抄」に対応して、Das Licht des Mondes sagt, daß 「日光抄」に対応して、Das Licht der Sonne sagt, daß の文字あり

第54回芸術選奨文部科学大臣省
第42回藤村記念歴程省
造本装幀コンクール経済産業大臣賞
ライプチヒ国際ブックフェア「世界で最も美しい本」賞候補

月光抄
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目次 その一-小浜の家 その二-鎮西丸 その三-旋光 その四-淡路を過ぎて その五-幻華と爽朗 その六-乳母 その七-母 その八-溝側 その九-離郷 その十-京都医学校 その十一-「文庫」 その十二-あたら明玉を その十三-少年 その十四-憤激 その十五-著者所蔵初版本 その十六-友と鬼 その十七-論争 その十八-手綱 その十九-山崩海立 その二十-エンヂミオン その二十一-月蝕して その二十二-うたゝ寝のまに その二十三-広野 その二十四-「明星」 その二十五-くろき炎 その二十六-一九〇〇年 その二十七-実験 その二十八-無口 その二十九-丸潰れ その三十-奇態の卜 その三十一-日記とともに その三十二-胆を奪ふ その三十三-『日本風景論』 その三十四-秋和まで その三十五-愚鈍者 その三十六-父窮す その三十七-月日の破壊 その三十八-幻想 その三十九-「漂泊」 その四十-啄木 その四十一-零度 その四十二-存外複雑な その四十三-家長 その四十四-顕微鏡 その四十五-船旅 その四十六-蔣淵 その四十七-海の幸 その四十八-空腹 その四十九-結婚 その五十-好める魚 その五十一-底 その五十二-十年の先 その五十三-計リ難キ その五十四-照魔鏡 その五十五-哀 その五十六-いそがしければ その五十七-漱石勧誘 その五十八-求人 その五十九-浜田行 その六十-流離 その六十一-天保山岸壁

日光抄
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目次 その一-細菌検査所 その二-山阿海陬 その三-壊れ荷 その四-月姫 その五-書評 その六-かかる愉快 その七-浮木 その八-かけちがひ その九-赤インク その十-路頭の犬 その十一-七騎落 その十二-塵溜 その十三-疾風 その十四-関門 その十五-臼杵 その十六-書置き その十七-発奮渡台 その十八-大嵙崁城 その十九-花柊 その二十-自緘 その二十一-タワオへ その二十二-進退窮す その二十三-南部旅行記 その二十四-ライオン吼ゆ その二十五-招牌 その二十六-菜の花 その二十七-見送り その二十八-飛脚探勝 その二十九-狂に類す その三十-間食 その三十一-荷物と子供 その三十二-大洪水 その三十三-杵の音 その三十四-八坂の塔 その三十五-藁と骨 その三十六-残菊 その三十七-浴み その三十八-大騒ぎ その三十九-古雛 その四十-緑川丸ふたたび その四十一-市木をへて鳥羽小浜 その四十二-天稟の技能 その四十三-彗星 その四十四-殉情と鬼語 その四十五-水姫 その四十六-海やまのあひだ その四十七-生誕五十年 その四十八-白毛の芽 その四十九-陋劣 その五十-村医 その五十一-敗壁断礎 その五十二-再生 その五十三-打瀬船 その五十四-三等分 その五十五-そこり その五十六-酔茗来 その五十七-省三郎来 その五十八-白秋来 その五十九-島影 その六十-ひるの月 その六十一-薬箱

帯文(背):
四半世紀をかけた渾身の伝記
帯文(表):
わずか18の詩篇だけを積んだ『孔雀船』を残して、明治の詩壇から消え去った清白。捨てられた多数の詩と厖大な日記を読み解き、ゆかりの地を歩きながら辿るその峻烈な生涯の謎。
帯文(裏):
「トーマス・マンは一人でノヴァーリスを発見した」とクルチウスが『文学と旅』の中で言っているが、平出隆も一人で伊良子清白を発見した、それも新しく発見したのだといってよいであろう。(樋口覚)

《明治期の卓越した一詩人の生涯と作品を、綿密きわまりない調査と核心にふれる繊細な批評とによって探りつくした、文字通り記念碑的な「評伝」。》 川村二郎(読売新聞2003.12.28)

《『孔雀船』一冊をもって忽然と消えた漂泊の詩人の評伝。清白の厖大な日記を入手し、その読み難い文字を読み解き、未発表の詩をわが身に引き寄せて、四半世紀の時を経て書き上げられた。「詩を廃す」という清白の覚悟が胸を打つ。今年最高の作と読んだ。》 高山文彦(読売新聞2003.12.28)

《『孔雀船』(明治三九年)一冊を残して詩壇から離れ、漂泊を生きた孤高の詩人を主題とする。だが、詩人の日記のシミュラクルたらんとするこの「文」は、はたして小説か、評伝か、批評か。文学の制度に微細だが決定的なずれを持ち込むその運動性において、すぐれて「六八年」的な書物である。》 守中高明

《日夏の発見から八十年。対するに、平出隆の追跡劇は、なぜ詩を棄てたのかの疑問を抱えて、『孔雀船』一冊を光源に清白の生の襞を照らし出す試みである。それがどれほど切実な問いであったか。問いの傍らに作者はさりげなく、「詩をやめる、というその衝動に私自身、ひそかな覚えがあった」と記している。これは、詩とは何か、その核心を衝く一撃と思う。答えは返ってはこない。しかし、行間からは、「旅行く者」は詩人である、という作者の静かな声が聞こえてくるのである。》 長谷川郁夫「平出隆『伊良子清白』」『藝文往来』(図書新聞2004.3.6)

《詩人が装幀にも手を染めるという麗しい系譜の継承者であり、装幀が果たす機微を熟知している詩人と、定評ある新潮社装幀室の有力な一員である望月とのコラボレーションによって達成された、清白詩の内実に寄り添う馥郁たる文学の香気。近来稀な至福の書だ。》 臼田捷治「装幀の風景7 馥郁たる文学の香気」(月刊言語2005.7)

《平出隆には、外見上、短歌や紀行文や日記など身辺に取材した、詩ではないようにに見える作品群があり、本書も一見すると伝記のよう。でも中味は、その企図、形式、発想、展開など散文詩そのものだ。現在の日本で唯一骨のある想像力の翼をのばすことのできる平出隆。彼と同時代に生まれて心底良かった。初期の詩集らしい詩集も、新しい日本語的想像力を探求して若々しくて良いが、最近の平出隆もその延長線上でほんとに良い仕事をしてる。平出隆をそばにおくと、そのへんの300人くらいの現代日本詩人は顔色なしだ。》芦屋

《本の函と装丁に惹かれるのはきわめて稀なことだ。三年前、ある古書店で岩波文庫の伊良子清白「孔雀船」を手に入れた時、たまたま同じ店にあった本書が目に入った。それはまことに魅力的な本であった。幅広の背の右三分の一が暗い灰色の地で、左三分の二が薄い灰色の地で分けられている。その地味だが美しい地柄に小さな絵柄が浮き彫りに施されている。中の本は「伊良子清白 日光抄」「伊良子清白 月光抄」の二分冊に分かれており、前者は白地にグレー、後者は白地にベージュに交互に地色が補完しあうように装丁されている。函の浮き彫りは清白の気象学書欄外への書き込みであり、「日光抄」「月光抄」はやはり清白の「月光日光」から採られている。さらに言えば、装丁のみならず活字の大きさ、配置、ノンブル、版面のレイアウトなどがじつにうまく按配されている。目次は各巻の主要参考文献の前に置くという凝りようで、しかも第一章、第二章といった割り振りではなく、その一、その二であり、その上章名はポイントを上げた活字を用いている。全体として繊細なデザイン感覚によって精妙に作られた本ということができる。書物の氾濫する今日、美しい物を求めることがいかに難しいことであるか・・・》baudelairien5572

伊良子清白菅野昭正
伊良子清白uraraka-umeko
伊良子清白hasunemachi
伊良子清白n5g38a

ベルリンの瞬間

版元: 集英社
装幀: 菊地信義
定価: 2000円(税別)
ISBN: 978-4-08-774557-3
四六判 上製 カバー装 9ポ1段組 360頁

第11回JTB紀行文学大賞受賞

目次 五月=[ヴァン湖畔 ヴィンターガルテン ツォイネ散歩道 ブッセ並木道 聖霊降誕祭まで] 六月=[木々の奇蹟 その家 関税特別郵便局 個人自動車市] 七月=[この家 愛のパレード ビルケの降る日 国境 大都市と小形式] 八月=[孔雀島 皺、シュターンズドルフ 周航記 ゴダールの新ドイツ零年 四千の日と夜] 九月=[プラハから カフカ・インスティテュート ガラとサーカス ダイムラーベンツ・シティ] 十月=[樫の並木の下で 統一の日 ハンザ・ホテル サン・ジミニアーノ 犬と少女] 十一月=[ドレスデン ヴェロドローム ポドビエルスキ並木道 フリードリッヒヴェルダー教会 室外寒暖計] 十二月=[アルマンド美術館 ピチェルスベルクのプムケ ツェランのリンゴ 聖夜のジーゲスゾイレ シュパンダウ ノイシュテート教会街の市街戦] 一月=[電話 Cに行きますか ナポリ 結晶学者の部屋] 二月=[六マルクの魔法 扉を押す女の像 ホテル・ザントヴィルト カイザーパノラマ館] 三月=[春の閾 外国人たち プリンセン島/スヴェンボウ 危険時刻 オラニエン街一番地] 四月=[聖土曜日のアウシュヴィッツ ワルシャワの広場で マルセイユからポルボウへ 貨車あるいはリベスキンドの建築 パリのパサージュ ヴァンゼー会議の館と「夏の家」 ティーアパルク] 五月=[シュトラーラウへ 瓦礫 わがアンハルティン街] 参照文献

帯文(背):
第11回紀行文学大賞受賞
帯文(表):
1900/2000年 住んでみて見えるもの ヨーロッパの悲惨をとどめてなお新鮮な首都で、カフカと暮し、ベンヤミンを歩く。20世紀と21世紀のふたつの世紀転換期を透明な遊歩でつなぐ詩人の、濃密な新ベルリン紀行。
帯文(裏):
ドイツでの主な訪問地=プラハ、ウィーン、グラーツ、フィレンツェ、サン・ジミニアーノ、アムステルダム、アメルスフォールト、ローマ、ナポリ、ヴェネツィア、デゼンツァーノ、ブレッシア、ヴェローナ、ヴィツェンツァ、ロンドン、コペンハーゲン、スヴェンボウ、ワルシャワ、クラクフ、アウシュヴィッツ、マルセイユ、ポルボウ、パリ……

《ドイツ滞在日誌である平出隆『ベルリンの瞬間』(集英社、二〇〇二年)の末尾で著者は、小包を後ろ向きに引きながら郵便局へと運ぶ。クレーの《新しい天使》、あの歴史の天使のイメージが、その描写ほどに生きて感じられたことは今までになかった。》 田中純(二〇〇三年読書アンケート)「みすず」2004年1・2月合併号

《ベルリンに滞在した一年間、平出隆は二十世紀の優れた知性を育んだ風土を訪ね歩き、作家と都市の交響に新たな楽章を書き加えた。時事的な話題が喧噪を極めた現在、心が洗われる一書だ。》 張競『本に寄り添う』(ピラールプレス 2011)

《平出隆は目のまえの町並みを観察すると同時に、ベンヤミンが見た過去の市街にもまなざしを向けている。と同時に、鉄鋼とガラスで出来た構造物について思索をめぐらす先達の姿を、ほぼ一世紀の間隔をおいて、冷静に見つめることができる。さらにカフカのドイツ体験と、ベンヤミンのカフカ論を一本の補助線として引くと、都市空間と作家とテクストのあいだの、想像力の三角形はくっきりと姿が現れる。》 張競「毎日新聞」2003年7月7日

ベルリンの瞬間 lana/gonfuku
ベルリンの瞬間 bequemereise
ベルリンの瞬間 asin
ベルリンの瞬間 hasune_machi

猫の客

版元: 河出書房新社
装幀: 菊地信義
装画: 加納光於〔《稲妻捕り》L-No.15(カラー・リトグラフ), 1977〕
写真: 平出隆〔1990〕
定価: 1400円(税別)
ISBN: 978-4-30-901430-2
四六判 上製 カバー装 10ポ1段組 140頁

第6回木山捷平文学賞受賞
全国学校図書館協議会選定図書
日本図書館協会選定図書

帯文(背):
読書の秋、心を揺する話題作
帯文(表):
チビの来た庭 狂騰する時代の波に崩される古い屋敷での生きものの軌跡――魔術的私小説

《最後まで頁から視線をそらすことができない》高橋源一郎『週刊朝日』
《通常の私小説などではない、ひとつの出来事のような作品》巖谷國士『文藝』
《猫に接するふたりが実にいい。本当にあったかくて優しくて悲しい素晴らしい小説》豊崎由美『ダ・カーポ』
《これが文字の力というものなのだろう》萩原朔美『新潮』
《シオカラトンボとの類い稀な交歓は、背後に猫とのそれを秘して、しみじみと美しい》岩阪惠子『東京新聞』
《八〇年代という時代への墓碑銘》岡井隆『NHK歌壇』
《凛として書き上げた、出色の小説であると思う》狐『日刊現代』
《澄んで、あえかで、きりりと姿のよい逸品》倉本四郎『本の雑誌』
《『猫の客』には感服した。文章のたたずまいが見事だった。神経が末端の細胞にまで届いていることが感じられた。眼差しそのもの——つまりは光の量や変化を主人公とした作品で、神経小説などというとおかしいようだが、生理感覚と一体化した特異な散文性をもつ、例えば内田百閒、吉行淳之介、古井由吉の系譜につらなる傑作と思えたのである》長谷川郁夫「しもやけ残る円盤少年」『藝文往来』
《「いなずまとり」か「いなずまどり」か。この行(くだり)が特に面白い》柳瀬尚紀『朝日新聞』
《見事な写生文に感心した》安原顯『本の雑誌』
《『猫の客』にはさまざま特色があるが、その第一は瑞々しい感性、それを描写する独特の写生文だろう。(略)この手の小説にありがちな感傷的な描写がないことも特色の一つである。また隣家の猫を中心とした日常を淡々と描きながら、家族、老人、介護、バブル経済の崩壊、相続税などの諸問題を見え隠れさせるあたり、立派な現代小説になっている。ぼくが選考委員なら芥川賞に強く推したい傑作だ。》安原顯
《あくまでも暖かい無常感である。読後感がいい》川本三郎『毎日新聞』
《手のひらに美しい “珠” を乗せられた気のする小説》稲葉真弓『赤旗』
《言葉の偉大さ》中沢けい『メイプル』

《あまりに好きすぎてどうしたらいいのかわからなくなる作品》akiko_yb
《つい引き込まれてページが進んでしまう。それが惜しいので、同じところを何度も読み返す。僕は、こういう小説って好きだな~。》ramunos
《どんなに心を許していても人間には決して触れることが出来ない崇高なものを秘めた自然としての猫を、ここまで鮮やかに表現してのけた小説は稀ではないでしょうか。》babahide
《描写がきれいですごく和む。》beijingluv
《いつかは別れが来るものではありますが、生きているものに対するコミットメントは、愛おしくも儚く、むなしいものであることを感じさせられました。作中に「小さなその滴のようなその一日」という表現があるのですが、読み終わった後、その影響か、きれいな水滴を見ていたような感覚を持った一冊でした。そうだ。猫ちゃんの一生の中で重要な日が、3月11日だったというくだりがあり、もちろん偶然でしかないわけですが、なんとなく、ずしーん、と来ました。》hforhologram.tea

猫の客lapin
猫の客yomuyomu
猫の客marypoole
猫の客aoarashi21
猫の客tsucchini
猫の客seungmis
猫の客10nban
猫の客sumireviolette
猫の客筋書屋虫六

弔父百首

版元: 不識書院
定価: 2200円(税別)
ISBN: 978-9-34-828959-1
A5変型判 ソフトカバー装 10ポ1段組 100頁

帯文(背):
悲傷歌の粋
帯文(表):
(本文より2首)
吸入器ほのかに曇りまた透り今宵は父の息のよく見ゆ
はらはらと死者の湯浴みは見甲斐あり浴衣の胸の蘇るほど

《ここに指し示されているのは明らかに、近代的自由詩形式につねに潜在する範例としての定型の問題であり、「散文」と「韻文」の問題であり、さらに一冊の書物という形式の問題である。(略)こうしてすぐれて批評的な「短歌」の実践について、にもかかわらず別の或る現代詩人は、それが作者における「詩の空洞化を背景」とした「伝統」ないし「共同体的な帰属意識」への「ストレート」な加担であり、「極限的な状況でふと定型が忍びよって」来たときに作者が「情緒的なもの」に「簡単に書く作業を譲っ」た結果だと評した。あきれるほかない浅薄な認識である。(略)「断片性」や「散文詩」の問題をおよそ最も先鋭に具現化してきた詩人にとって、「短歌」を作ることは、そのまま日本語におけるさまざまな詩形式の重層的で相互干渉的な規定の謎に向き合うことを意味しているはずであり、その実践を読むことは、今日の「現代詩」の疲弊と不活性に或る角度から根本的に照明をあてる作業ともなるだろうからだ。》守中高明「「日本近代詩」とその分身たち――平出隆『弔父百首』をめぐって」(新潮2000.11)

ON KAWARA ERSCHEINEN-VERSCHWINDEN

Verlag: Maly-Verlag Köln
Herausgeber: Udo Kittelmann, Kölnischer Kunstverein
Sprache: Deutsch und Japanisch
ISBN: 978-3-92-830403-0
Gebundene Ausgabe, 63 Seiten

Die Revolution des Augenblicks-On Kawara als Sprache
瞬間の革命ーー言語としての河原温
Autor: Takashi Hiraide
Übersetzungen: Heike Schöche

左手日記例言

版元: 白水社
装幀: 菊地信義
定価: 2718円(税別)
ISBN: 978-4-56-004563-3
A5変型判(200 x 140)上製 函入 10ポ1段組 166頁

第45回読売文学賞受賞

目次 怪我―一九八九年四月の例言 老作家―一九八九年七月の例言 スウィッチ―一九八九年九月の例言 鏡文字―一九八九年十一月の例言 片かたの―一九九一年五月の例言 私と彼―一九九一年八月の例言 贈りもの―一九九一年十二月の例言 * 正中板について―一九九二年夏の添え書

帯文(背):
新しい散文の音楽
帯文(表):
極微のつららが、詩人の右手を傷つけた。左手で書くことを余儀なくされて、ことばは意識と身体のふしぎな隙間へとまぎれていく。詩と散文を、背中合せのままに織り成す、比類ないアラベスク。
帯文(裏):
(平出隆「怪我-一九八九年四月の例言」の一節)

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光の疑い

版元: 小沢書店
装幀: 小沢書店
定価: 2800円(税別)
四六判 ソフトカバー装 9ポ1段組 327頁

目次 I =[詩と生を結ぶもの 宇宙言語との響応 はつらつたる悪戦 不在の詩人の同時代詩評 夢見論・夢語り論 セガレンと中間領域 「大詩人」の神話 朔太郎の二律背反 未済にして終る 死者の息吹を 一九八七年の詩集a 一九八七年の詩集b 高楼をめぐる対立 訳詩集の豊穣 現代詩人の俳句論 中也への一接近 中国現代詩の試煉 山口哲夫の死 偉大さとその浸潤 「詩ではない別のもの」へ 手懸りとしてのカヴァフィス 一九八八年の詩集a 一九八八年の詩集b 一九八八年の詩集c 少年白秋という気泡 言葉の「線の束」 芭蕉を読みたいバシュラール 遺された批評 みずからの外へ 境界と落日 テロリスト的 文字の中の声 二つの詩人論 仮想にかかげる疑問 一九八九年の詩集a 一九八九年の詩集b 詩の一九八九年 現代詩から見た白秋 詩に望みを託して 「定型」議論をめぐって デリダによるツェラン論 「荒地」の二人の仕事 吉岡実のかたみ 逆説的な詩の時評 詩形論へ 明治以降の「詩と散文」 一九九〇年の詩集a 一九九〇年の詩集b 一九九〇年の詩集c 詩の一九九〇年] II =[てっぷの雪窟 逆旅歌 圧縮と揺すれ 文語詩の蘇り 狂える力には 屈託の透視 小さな詩集 散文詩のゆくえ 形態学の必要 些事と詩の素 物質的と形態的 擬論理的と寓話的] III =[詩の旅程・散文の旅程 詩人が詩人を追うということ 小動物の想像力 溶けゆく花鳥風月 次の行は 言葉におけるプラグマティスト 自然との官能的戯れ 帆を張ることば 心に沁みる生の発見 詩人を追放する力 日本語という島 厄災に閉じこめられて 駅を知らぬこと 速度と封印 ブレの領域 記述についての記述 墓碑銘を読みに 死後怒濤 シャム双生児のように 全知と全能 いっしんな丁寧 自然からのきわどい根絶 無限への抜け道 石の詩集・内臓の詩集] IV =[言語的唯物主義について 光の疑い] 覚え書 初出一覧 索引

帯文(背):
現代詩1985ー1990
帯文(表):
詩からはるか遠くへ 批評からはるか遠くへ
詩語の論理と批評の生理を追って、現代詩の〈世紀末〉にことばのゆくえを凝視する同時代詩評’85-’90

白球礼讃

版元: 岩波書店
扉・目次構成: 平出隆
定価: 780円(税別)
ISBN: 4-00-430064-9
岩波新書(新赤版)64 9ポ1段組 235頁

目次 0ーダイアモンドよ永遠に 1ーライオンズとチョンギース 2ー天職野球への道 3ーたった一人のワールドシリーズ 4ークーパースタウン殿堂攻略記 5ー幻の軟式ボールを求めて 6ー野をひらくバット 7ーグラヴ職人との一夕 8ー最後のシャドウ・ベースボール 9ーレロン・リー、ファウルズに来る あとがき

ordinal-dugout_edited-1.gif1989/04/01 東京ドーム 《レロン・リープロ野球引退・ファウルズ入団記念試合》 右から指揮を執る平出監督、後列右からねじめ正一選手[33]、レロン・リー、美樹夫人、長嶋茂雄、ザクリー・バース、ランディ・バース。

白球礼讃uraraka-umeko
白球礼讃iwanami
白球礼讃asin
白球礼讃seikazoku-wasure
白球礼讃kanetaku

家の緑閃光

版元: 書肆山田
装幀: 菊地信義
定価: 2400円
A5変形判(208 x 144)上製 函入 153頁

目次 格闘図 漢字の用法 謎の部品 鉛のかんな屑 鳥のモビール 緑光異文一 明るいくらしの家計簿 しどろもどろに蛇 泪の餌台 追悼のピアノ 区分地図帖 原色昆虫図鑑 シンガポールの鍵 かんしゃく玉 緑光異文二 埃りまみれのプリズム 祖父の鉱石標本 HOTEL ZUDABOLLO 魂の打具 紙を踏む星 緑光異文三 基本定石事典 動物組織プレパラート 二色の箱――リヴァーシブル 緑光異文四 去年の中国花火 基本布石事典 緑光異文五 布の石 明後日の生ゴミ 緑光異文六 双生の箱 TISSUE OF SONGS 紳士七変化 緑光異文七 偏平星 打具の科学 大いなる袋に 神保先生著 施設の浮力 緑光異文八 ギャラリー 頬と鍵 悪意のアパートメント 部屋その肖像 わたしもピアノ 露わにすること 蛇のかけら 家計簿のくらみ 緑光異文九 なんとか引っ越した鳥たち プレートと閾 な名づけそ 恋愛詩集凡例 散文的見世物 家の緑閃光 目録

帯文(背):
第4詩集
帯文(表):
素描と小説と歌と――
あるいは
散文詩と散文と詩と――
三様の形式の隙に、微妙で苛烈な揺らぎを与え、生あるオブジェの奇蹟的なきらめきによって組み立てる《言語の光学の家》。現代の詩の鍵、というより文学の鍵をめぐる、果敢にして陰翳ゆたかな探究成果がここにある。
帯文(裏):
平出隆 1950年生
詩集 旅籠屋 1976年 胡桃の戦意のために 1982年 若い整骨師の肖像 1984年
詩論集 破船のゆくえ 1982年 攻撃の切尖 1985年

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攻撃の切尖

版元: 小沢書店
装幀: 菊地信義
定価: 2000円
四六判 上製本 9ポ1段組 280頁

目次 攻撃の切尖 I =[断章31 たたかいとしての詩形式 雲をつなぐもの 骨とサボテン がらくたと緑閃光 自然・観察・手記 溝の感触 あるく詩句 蝿殺しの本 白い気圏で 舞いのつたわり] II =[「詩学」と「詩論」 レトリックの否定 二重のロマンティスム 現実に執する 声の転生 垂直性の夢 破れとしての詩形式 根源の喪失 見切られる戦後詩 海のむこうの現在 「私」のはじまり 散文性への視点 奇妙さの石 詩と呼ぶ必要 境界について 「箴言」と「うた」 カタログの方法 日めくりの方法 記述の腰つき 異教としての詩 未開の詩の皮膚 反動のこころ 不思議な影像 「いかに」ののちに] III =[水駅までーー荒川洋治 壜からの霧ーー堀川正美「古風なベル・カント」 日がな啼く歌ーー白秋の童謡 退路なき肉体ーー佐佐木幸綱『直立せよ一行の詩』 夜の河白くーー伊良子清白「漂泊」 盲ふる感覚ーー白秋断章 白紙へのツァイスーー宮澤賢治「林の底」 滅びへの注視ーー『新編北村太郎詩集』 廃墟という鼓膜ーー吉増剛造『静かな場所』『螺旋形を想像せよ』 虚からの敵対ーー高橋睦郎『王国の構造』 埋滅とそののちーー安藤元雄 形式の両極性ーー那珂太郎『詩のことば』 螺旋運動への執着ーー渋沢孝輔『薔薇・悲歌』 詩人の血ーー入沢康夫『ネルヴァル覚書』 言語の消却 時間の消却ーー北園克衛 自然詠と光学ーー賢治の歌稿 キャッチボールの円周率ーー寺山修司 無二の形態ーー『孔雀船』と現代の詩] 覚え書 初出一覧

帯文(背):
未知への詩学 平出隆 最新評論集
帯文(表):
詩集「胡桃の戦意のために」から「若い整骨師の肖像」への時間の移行にそって、これらの断片は記された。伊良子清白、北原白秋、宮澤賢治、そして同時代の詩人たちをめぐる批評は、未知の詩的形式を照らしだすことばの閃光である。
帯文(裏):
(平出隆「「いかに」ののちに」の一節)

若い整骨師の肖像

版元: 小沢書店
装幀: 菊地信義
定価: 2000円
B6判 上製ノート装 セロファンカヴァー 貼函入 107頁

目次 (はじめの光景 (凹地における母その他の肖像 (胸と肩 あるいは必死の渦 (自然観察者の手記 (水の囁いた動機 (死にゆく下等生命の素描 (若い姫蜂がつぶやく (毒草クララの城から (憑かれた家主の独身の生活 (孤独な翼手類の恍惚 (白い山塊との遭遇 (捨てられた雲のかたちの (骨の船 (若い整骨師の肖像 (かくして十一月は過ぎて   (あとがき)

帯文(背):
平出隆最新詩集
帯文(表):
未知の磁力に惹かれ、言葉の無の渾沌のうちから、輝く無二の形態をとり出すーーー晴れやかな実験。
帯文(裏):
(平出隆「骨とサボテン」の一節)

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《若い整骨師である詩人は、この詩集のなかで、スピノザのように、観察し、思考する。彼はマシナリーな領域のなかでおこる、意識の自己組織的な働き(観察や捕食や交尾や出産が、それを媒介する)のなかから、エチックをとりだそうとする試みにかけているという点において、まったくスピノザ的であると、ぼくは思う。ぼくたちの周囲に浮上しつつあるのは、「死せる祖父たち」の見たこともないような、異形の自然なのだ。しかもマシナリーの流れを阻止する堤防を築くことさえ、不可能だ。この異形の自然のなかに生きながら、そのまっただなかから新しい主体性の形成をめざすヴィジョンと表現が、いま必要だ。彼はそのことを、日本の詩人たちの誰よりもすばやく、正確に理解した。》 中沢新一「この完璧の鈴をふれ」『ケルビムの葡萄酒』所収

Portrait of a Young Osteopath

胡桃の戦意のために

版元: 思潮社
装幀: 菊地信義
定価: 1980円
ISBN: 978-4-78-370036-4
A5変形判 上製 カバー装 機械函入 9ポ1段組 127頁

第34回芸術選奨文部大臣新人賞

帯文(背):
平出隆新詩集
帯文(表):
花を骨となし、骨を花となす 古井由吉
帯文(裏):
くるしみはくるします敵をくるみから奪った。だが、それが好機なのだ。

《平出隆の新しい詩集『胡桃の戦意のために』を読んで、そのみずみずしい言葉づかい、その尖鋭なリリシズム、そして時にはユーモアもある、その知的なレトリックに大いに感興をもよおした。私が詩集に感動するなんて、近来めずらしいことである。》 澁澤龍彦「平出隆『胡桃の戦意のために』」『華やかな食物誌』

胡桃の戦意のために kaerunoniwa

胡桃の戦意のために shinnnkuu

破船のゆくえ

版元: 思潮社
装幀: 菊地信義
定価: 2500円
ISBN: 978-4-78-371460-6
四六判 上製本ビニールカヴァー装 9ポ1段組 297頁

目次 海・きれはし I =[多方通交路 1 否定と想像力 2 詩の過剰 3 腐臭と蘇生 4 経験をひらく鍵 5 詩史の射程 6 ロワール河の決潰 7 あふれと通路 8 批評的打撃について 9 作品の現在 10 「私」の生れる場所 11 詩句との戦い 12 多方通交路] II =[破船のゆくえ 未知の解読 過激な文書 宙吊りの詩と行為 道の倒立 夜明けから朝まで] III =[木馬から化石へーー吉増剛造『草書で書かれた、川』  余白の音楽ーー『定本那珂太郎詩集』  漂流者の暗号ーー『堀川正美詩集 1950-1977』  水底の波にーー窪田般彌『圓環話法』  にがい肉声ーー渋沢孝輔『廻廊』  極のあいだの豊饒ーー谷川俊太郎『そのほかに』  澄明な死のひろがりーー吉岡実『夏の宴』  加速度の前後ーー渋沢孝輔『廻廊』『淡水魚』  空気の梯子をめぐってーー那珂太郎・入沢康夫『重奏形式による詩の試み』  白鳥の剥奪ーー岩成達也『中型製氷器についての連続するメモ』]

帯文(背):
詩的言語の現在 平出隆 第一評論集
帯文(表):
瀕死の詩は、未知の海で蘇らせよ。危機と蘇生をつなぐ過激にして緻密な方法で同時代詩を論じ、詩的経験の転位と新しい感受性の構想力を全的に開示する。 平出隆 第一評論集  

詩集 旅籠屋

hiraideworks_014

版元: 紫陽社
定価: 1500円
A5判 上製本 貼函入り 9ポ1段組 93頁

目次 旅籠屋=[微熱の廊 木霊の間 悲の厨 碇の庭 冬の納戸 星宿の湯 門] 百葉箱によって=[余白の凧は碧ぞら 海の遺書 積乱 百葉箱によって 窓 吹上坂 草に記して] 秘書失踪=秘書失踪

帯文(背):
鮮烈な第一詩集
帯文(表):
平出隆は、春の嵐にまぎれてやってきた。ともすれば荒くなる呼吸を整えて、彼がイメージの水に手を触れるとき、ひとはそこに鮮烈な悲しみの虹が散るのを見るだろう。時代の詩は熱くそして狷介だが、詩人は、あくまでも醒めてあり、そして柔軟である。青春の峠にひそやかに遺されたこの一書は、来る年にもまた確実に、春の嵐を呼ぶにちがいない。「清水哲男」