版元: 小沢書店
装幀: 菊地信義
定価: 2000円
四六判 上製本 9ポ1段組 280頁
目次 攻撃の切尖 I =[断章31 たたかいとしての詩形式 雲をつなぐもの 骨とサボテン がらくたと緑閃光 自然・観察・手記 溝の感触 あるく詩句 蝿殺しの本 白い気圏で 舞いのつたわり] II =[「詩学」と「詩論」 レトリックの否定 二重のロマンティスム 現実に執する 声の転生 垂直性の夢 破れとしての詩形式 根源の喪失 見切られる戦後詩 海のむこうの現在 「私」のはじまり 散文性への視点 奇妙さの石 詩と呼ぶ必要 境界について 「箴言」と「うた」 カタログの方法 日めくりの方法 記述の腰つき 異教としての詩 未開の詩の皮膚 反動のこころ 不思議な影像 「いかに」ののちに] III =[水駅までーー荒川洋治 壜からの霧ーー堀川正美「古風なベル・カント」 日がな啼く歌ーー白秋の童謡 退路なき肉体ーー佐佐木幸綱『直立せよ一行の詩』 夜の河白くーー伊良子清白「漂泊」 盲ふる感覚ーー白秋断章 白紙へのツァイスーー宮澤賢治「林の底」 滅びへの注視ーー『新編北村太郎詩集』 廃墟という鼓膜ーー吉増剛造『静かな場所』『螺旋形を想像せよ』 虚からの敵対ーー高橋睦郎『王国の構造』 埋滅とそののちーー安藤元雄 形式の両極性ーー那珂太郎『詩のことば』 螺旋運動への執着ーー渋沢孝輔『薔薇・悲歌』 詩人の血ーー入沢康夫『ネルヴァル覚書』 言語の消却 時間の消却ーー北園克衛 自然詠と光学ーー賢治の歌稿 キャッチボールの円周率ーー寺山修司 無二の形態ーー『孔雀船』と現代の詩] 覚え書 初出一覧
帯文(背):
未知への詩学 平出隆 最新評論集
帯文(表):
詩集「胡桃の戦意のために」から「若い整骨師の肖像」への時間の移行にそって、これらの断片は記された。伊良子清白、北原白秋、宮澤賢治、そして同時代の詩人たちをめぐる批評は、未知の詩的形式を照らしだすことばの閃光である。
帯文(裏):
(平出隆「「いかに」ののちに」の一節)